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2021/04/16コラム⑯:学生が主体となる津山高専の国際交流&グローバル活動

 2021年4月より、津山高専の国際交流センター長を務めることになりました山口均です。

 今回のコラムでは、学生の皆さんに期待するこれからの国際交流活動について、私見を述べさせていただきます。

 昨年より、新型コロナウイルス禍により国際交流は、実際に海外に赴くことが出来ず、さらにこの状態がいつまで続くのかもわかりません。このような困難な状況下にあって、これからの国際交流活動をどのようにして行ったら良いのでしょう。

 近年、International に代わるようにして、global という言葉が一般化してきました。大辞林では、「インターナショナル」は「国際間の、国際的」という意味を表すのに対して、「グローバル」とは、「世界的な規模であるさま。国境を越えて、地球全体に関わるさま。」とあります。そこにはSDGs(持続可能な開発目標)も含まれる、より包括的な意味が込められているように思います。

 実際に海外へ行けないなら、まず自分の心を、そして身近な環境をグローバル化していくという発想の転換が必要です。植物が冬の間、地中で芽を出す準備をしているように、私たちも来たるべき春のために、力を蓄え、心を整えていくことが必要です。

 「グローバル・マインドセット」という言葉も最近よく聞かれるようになりました。例えば海外留学しようとするならば、その準備期間に、まずは自らの心をグローバル化し、整えていくことが必要とされます。

 皆さんの将来像(キャリアプラン)はどんなものでしょうか? その中に海外の異文化の中で、自分が活躍するビジョンは入っているでしょうか? 将来勤める国内の企業で、外国人の同僚とどのような関係を作っていくことを望んでいるでしょうか?  そして将来、仕事を通じてどのように世界に貢献していこうと思っているでしょうか? そして今、身近な人に何をすべきなのでしょうか?

 まずは、自分の将来像を考え、そのために何が必要で、何をすべきなのかなど、しっかりと自分と向き合い、それを身近なところから具体的な行動に移していくことが大切です。それは、より専門的な知識であり、語学力であり、コミュニケーション力であり、かつ身近な人や地域へ貢献力など、考えるとたくさんあるはずです。

 津山高専では、今まで、学校独自はもちろんのこと、中国四国地区や高専機構と連携した国際交流プログラムを数多く実践してきました。しかしそれらは学生にとっては「用意されているプログラム」がほとんどでした。一方、近年、学生自身が主役となり、企画実践するプログラムを始めています。その代表的なものが、「学生アンバサダー活動」です。この活動は宇部高専の先進的な取り組みを参考にして発足した、学生主体の国際交流活動です。まさしくボランティア(自主的)活動です。具体的な活動としては、校内の留学生の支援活動、大学の留学生との交流活動を行うAfter School English参加、他高専の学生アンバサダーとの交流、津山ロボコンのチューター活動等があり、学生自ら、新たな企画を立案することも可能です。さらに2021年度入学の1年生からは新カリキュラムの「国際交流Ⅰ」で、これらの活動が、1年生から履修できる選択科目の単位認定の一部ともなります。これらの活動をオンラインで実践することで、コロナ禍でも対応できるように工夫をしています。ぜひ自らの「グローバル・マインドセット」に取り組んでください。

 一方、2年生以上は、やはり実践の場として海外研修へ行きたいと、うずうずしている人が多いことだと思います。海外研修ができる社会情勢になり次第、既存のプログラムを再開しますので、それまで知識を蓄え、校内での活動などにも参加し、準備を整えておいてください。

 最後に、私の海外交流経験から一つ紹介します。私は前職が中学校教員でした。勤める市の姉妹都市との交流事業で、ホームステイプログラムがあり、その引率として20名近い中学生と共にアメリカのロサンゼルス近郊のカルバーシティー市を訪問したことがあります。アメリカの映画制作で有名な都市です。滞在中、現地のホストファミリーから、もっとモチベーションの高い生徒を派遣してほしいとのクレームがありました。選ばれる中学生が、市内全域の中学生の応募者の中からの抽選ということもあり、観光旅行気分で参加していた一部の生徒に対する率直な意見であったように思います。そこで現地のプログラムスタッフと相談して、市の行事ではなく、個人レベルでプログラム開発をしようということになり、それから2年後、私が社会貢献で作っていた、よさこい鳴子踊りの中高生チームからメンバーを募り、独自プログラムでホームステイを行いました。中学校教員としてではなく、「地域のおっさん」としての引率です。しかし、計画途中段階に9.11のテロがあり、社会情勢が厳しくなる中、プログラムが実行できるかどうか、ハラハラする中、翌年3月下旬になんとか渡航することができました。現地の中学校や高校を訪問し、授業に参加したり、よさこい鳴子踊りを披露したり、日系の小学校を訪問し、運動会のために踊りを教えたり、生徒が主人公となって活躍するプログラムを実践できました。その翌年も人数を増やして2度目の訪問を行い、今度は地域の集まりでも踊りを披露し、特に日本語も忘れつつある日系のお年寄りの方が涙を流しながら故郷を懐かしみ、喜んでもらえました。誰かに貢献できることの素晴らしさを生徒とともに体験でき、このプログラムに参加した全員にとって貴重な経験の一つになりました。

 では、このコラムのまとめです。

「自分が主人公となるグローバル・マインドをセットして、世界の誰かに・何かに貢献できる素晴らしさを体験してみませんか?」

 長文にも関わらず、最後までねばり強く読んでくださりありがとうございました。

《写真:アメリカホームステイプログラムでの様子》

 

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