The common sense behind the logic of the English language
大島商船高専 朴 鍾徳
私たち英語学習者は将来英語をネイティブのように話している姿を夢見ながら頑張っていますが、英語はそう簡単に征服されるものではないと度々実感しています。我々にとって英語が難しく思われる要素は一体何でしょうか。ここでは、発音のことは省略し、一般に理解されている要素のみ取上げてみたいと思います。
1.語順の違い
世界の言語と英語との語順一致度を把握するのは非常に興味深いところです。例えば、英語‐ドイツ語‐中国語‐日本語の間にはどの程度の語順が一致するのでしょうか。私の考えでは、英語(100%)‐ドイツ語(90%)‐中国語(50%)‐日本語(10%)のようになると思います。語順の違い、つまり考えの流れの違いは英語力を決める決定的な要素です。英語で「I love you」との感情を伝えたいときに、日本語には色々な言葉の並びができるにも関わらず(少なくとも六つですが)、必ず「私は 愛している あなたを」のように話さないといけません。先天的に不利な立場におかれていて、我々は英語に苦戦することになります。アメリカ人として来日し、一年も経たないうちに日本語をしゃべる人をよくみます。彼らにとって日本語には助詞というものがあり、言葉の語順にあまり関係なく話せるからです。さらに、日本語は意味を伝えるのに英語より合理的ではないようです。「私は/明日/あなたと/一緒に/映画を/み/たい」、この内容を日本語で理解するためには最後まで聞かないといけません。もし、日本語がドイツ語のように英語との語順一致度が90%で、「I / tomorrow / with you / a movie / watch / want to」と話して通じる英語であれば、我々は学生時代から今まで苦労しなくて済んだのかもしれません。
2.考えの要約-推論の秘密
英語がうまくなるためには、日頃の練習を通じてネイティブスピーカーの「考えの順序」に慣れることです。しかし、日本語の語順になれている我々にとっては、とてもハードルの高い問題です。要するに、ファクターを先に言って次に推論される言葉を次々と並べる英語の話し方です。「一言でいうと」のような習慣です。例を挙げましょう。「ピラミッドの中に隠された宝物は多くの人々に致命的な誘惑だった」、この難しい文書を一言(ファクター)でいうと何と言えるのでしょう。世の中の言語において必ず共通するところは、主語+述語に分けることができる、つまり、考えを要約する規則は一致するということです。冗長な愛の物語をファクターでいうと結局、私が愛している(日本語)‐我愛(中国語)‐Ich libe(ドイツ語)‐I love(英語)のようになってしまうのです。前述の「ピラミッドの中に隠された~」のファクターは結局「宝物は誘惑だった」となるのです。後はそのファクターに続く推論される言葉を並べるだけです。日本語の文章は最後まで聞かないと理解できない反面、英語はそうではありません。ネイティブの考えの順序に慣れること、これは彼らの言語論理を理解する第一歩だと思います。
3.結論
これまで日本人が難しく思っていた英語は、「法」ではなく「常識」だというのを忘れないでほしいです。英語は、難しく暗記しないといけない法(規則)ではなく、私達が意味するのを表現する手段であり、誰でも理解している常識的なレベルの言語論理及び応用法であります。それを文法(話す方法)と呼んでいいでしょう。そして、英語の語順及び考えの順序の違いを克服することで、英語が征服できる道もそう遠くないと思います。
日本人ひいては世界の人々が英語を勉強する目的は、英会話・海外旅行・友達作りといった一次的な理由から始まります。しかし、本来の目的はそうではありません。外交戦略で流暢な英語で国威を発揚することやビジネス環境でわが社のためになる取引、そして専門分野での海外研究機関との交流及び教育などが、現在私達が英語を学ぶ本来の理由です。結局、「英語で彼らと競争し実質的な利益を得るために英語は必要不可欠だ」との認識が大切ではないかと考えます。
次回のコラムは、米子高専の粳間先生にお願いします。
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