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2019/03/19コラム⑫:夢の国でのインターンシップ

 新居浜高専の福光です。 

 日本を飛び出すことが異文化体験の王道であることは、これまでコラムを執筆されてきた先生方のさまざまな体験談から十分に伝わっていると思います。ただ、時間や費用のこともあり、なかなか気軽に海外へというわけにはいかない学生さんもいることでしょう。もちろん日本に居ながらインターネットやSNSを使って世界中の情報を得たり、世界に情報を発信したりできる時代ですが、情報の授受だけでは本当の意味での異文化「体験」には少しばかり遠いなあと感じる人が多いと思います。それでは日本に居ながら異文化体験をする可能性はゼロかというと、そうでもなさそうです。

 もう20年以上になりますが、私が大学生の時、何か良いアルバイトはないかと学生センターの掲示板で求人票を物色していました。その中に時給の良い短期のアルバイトを見つけました。今となっては求人票の中身をはっきりとは覚えていませんが、仕事の内容は、大きなイベントでの飲食販売補助でした。そのイベントとは、世界中の子供たちに夢を見せてくれるアメリカD社の氷上パフォーマンスで、私が学生時代に住んでいた街にも年に1度くらいのペースでやってきていました。この記事を書いていて少し気になったのでネットで調べたところ、このツアーは今も行われているみたいです。

 さて、アルバイトに無事に採用され、およそ一週間の仕事が始まりました。会場についてみるとさすがは夢の国、私が担当のポップコーンやかき氷の製造マシーンや販売屋台までにもデコレーションがあしらわれたとても可愛らしいものでした。会場には演者と思われる外国人スタッフもかなりの数が行き来しており、会場の外とは別の世界が広がっていました。初めに全体で説明を受けた後、私が担当する売り場に行ってみると、なんとびっくり、外国人スタッフ(たぶんアメリカの方)が待ちうけているではありませんか。今ではお名前を忘れてしまいましたが、演者として出演してもよさそうな素敵な20代後半くらいの男性が私たちの直属のボスでした。私の他にもう一人アルバイトの男の子がいましたが、私たちのボスは英語しか話さない人で、私たちの仕事はポップコーンとかき氷をとにかく作り続けるというものですが、もちろん上映スケジュールに合わせて生産調整が必要ですので、そうした指示を含め、ボスとは英語でやり取りをしていました。さすがに初日は英語と仕事の2つのプレッシャーで、勤務終了時にはかなりヘトヘトになりました。他のアルバイトの学生たちに聞いたところ、他の売り場や部署も同じようにボスは外国人スタッフでかなり疲れたとのことでした。

 この夢の国でのアルバイトもあっという間に終わってしまいましたが、今振り返れば日本に居ながらとても貴重な体験(カッコよく言えば、外資系企業でのインターンシップ)をしていたのだなあと思います。現在では高専に限らず、日本にやってくる外国人留学生の数はどんどん増えています。皆さんの高専に在籍している外国人留学生と交流したり、上司とまではいかないかもしれませんが、アルバイト先の同僚に外国人留学生がいればそうした方たちと交流したりすることも可能でしょう。また、地域でさまざまな国際交流イベントも開かれたりもしていますので、まずはそうした身近なところ・身近な人たちとの交流から異文化体験・国際交流を始めてみてはどうでしょうか。

 次回のコラムは、津山高専の堀先生です。

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