松江高専の橋本です。

　学生にとって何かの参考になることを期待しつつ、私の海外体験を紹介します。

　私が初めて海外に行ったのは２１歳の時でした。最初は中国に行くつもりでしたが、調べているうちに台湾の蘭嶼島に行ってヤミ族の人達に会いたいと思い、台湾に１ヶ月の一人旅をすることにしました。船で33時間かけて大阪から那覇に行き、那覇で台湾のビザ（当時は必須）、そこからまた船で30時間かけて台湾の基隆に着きました。初めての海外でそれはもう興奮し、見るものすべてが新鮮でした。初日の夜、台北で宿に帰る道が分からなくなり、たまたま通りがかった女性二人に道を聞きました。彼女達も外国人と話すのは初めてということで喜んでくれ、仲良くなり長時間話し込みました。私が蘭嶼島に行きたいということを話すと、彼女達も行ったことがなく、もうすぐ春休みだから一緒に行ってあげるということになり、数日後台中から３人で３泊４日の蘭嶼島旅行に出かけました。二人とは片言の英語と筆談でずっとやり取りをしましたが、楽しくて仕方ありません。でも、もし中国語が話せるようになって普通に会話できるようになったらもっと楽しいだろうなと思ったのが、４年後の中国留学につながりました。彼女達とは出会って２７年たった今でも家族ぐるみの付き合いが続いています。蘭嶼島では現地で知り合ったヤミ族のおじいさんの家に泊めていただくことになりました。そこで知り合った多くのヤミ族の方々に大歓迎され、日本への熱い思いを聞きました。この体験から、のちに何度も台湾を訪れ、台湾原住民の村々を回って日本時代の話を伺って記録をすることになりました。最初の台湾一人旅では各地で色んな人と知り合って世話になり、食事をごちそうになったり泊めてもらったりととにかくずっと楽しく、最高でした。

　その後も台湾をはじめ、タイなどアジアを中心に色んな国を旅するようになりました。一月ぐらいの一人旅が主でした。

　大学院生だった２６歳の時に、念願だった中国へ留学をしました。１年間です。台湾で少数民族の文化に強い興味を持つようになったので、中国で一番少数民族が多い雲南省の雲南民族学院という大学を選びました。専門には全く関係ない、趣味の留学です。当時の中国、特に雲南は物価が安く、餃子１０個で１０円程度でした。私費留学でしたが費用はかなり安くすみました。普段は中国語の授業に出て勉強です。最初はほとんど何も聞き取れなかったですが、毎日現地の人とたくさん話していたら２週間ぐらいで何となく意思疎通が出来るようになり、３ヶ月ぐらいでほぼだいたい聞き取りが出来るようになりました。外国語が出来るようになるのは楽しいもので、人生がとても前向きになる感覚があります。また、雲南民族学院には世界中を旅しているようなクセがある人が多く、実に楽しい毎日でした。休みの日には雲南省各地の少数民族の村などに良く出かけました。とんでもない山奥のトイレも無いような村など、いろんな所に行きましたが、いろんな文化、風習、そしていろんな人々と出会い、長期休暇にはラオス、ミャンマーやシルクロード方面など色んな所を旅しました。本当に楽しい一年間でした。

　私はとにかく海外に行くのが楽しかったのですが、この楽しかった経験がその後いろんな所で役に立っていると実感しています。学生の皆さんにもぜひ楽しい経験をいっぱいして、楽しい人生を送ってほしいと願いながら、国際交流関係の仕事をしています。とにかく興味があるところに一度行ってみるような学生が増えるといいなと願っています。

　次は徳山高専の天内先生にバトンタッチです。

 

 台湾蘭嶼島にて、ヤミ族のおじいさんの家で

タイ北部リス族の村

　　　　　　　　　　 

 中国雲南省、ミャンマー国境付近 タイ族の村で。日本の踊りを教えろというので踊っているところ。 

新疆ウイグル自治区の村で中国将棋をしているところ

 

 

 

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