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2018/04/16コラム①

津山高専の杉山です。

私が中学生の時(今から四十数年前です)、「文明は水と同じで高いところから低いところへ流れ
る」という社会科の教員がいた。西欧文明が世界に拡大したのはそれだけ西欧文明がすぐれていた
からだと言うのだ。あるいは「世界には食事をする際にナイフとフォークを使う人と箸を使う人
と、素手で食べる人がいる。ナイフとフォーク、箸、素手の順に文明が高い」という英語の教員が
いた。純真な少年だった私はそんなものかとそのまま信じていたが、今思えばとんでもない話で、
心得違いも甚だしい。
 事実は、西欧文明が世界に拡大したのは彼らが軍事的、政治的、経済的に強かったからで、世界
の人々が持つ固有の文化、文明に優劣があるわけではない。教育に当たる人間がこんな認識ではお
寒い限りだが、当時の日本人の国際理解度というのは概ねこの程度のもので、かの二教員だけを責
めるのは酷なのかもしれない。
 文化、文明に相違はあっても優劣は無いことは、今や多少でも教養のある人ならもちろん理解し
ていると思うが、それでもまだ本音では欧米に憧れ、アジアやアフリカの人々を低く見る人々がい
る。欧米に憧れるのは構わないが、アジアやアフリカの人々を見下すような価値観を持つのは困
る。特に高専生が活躍する製造業は、すでにアジアの国々と深い関係にあり、もはや切っても切れ
ない関係にある。我々は先入観なく相手国の人々と接することのできる人材を育てなくてはならな
い。
 そのためには留学生の存在は大切だ。毎日学校で優秀な留学生の姿を見て、尊敬の念を持つこと
ができれば大きな前進だ。海外研修も大いに利用して一人でも多くの学生の参加をさせたい。実際
に中国や韓国、東南アジアの国々に行って、自分の目でそういった国々の様子を見るのは大切なこ
とだ。動機は物見遊山でも構わない。現地での一週間二週間を楽しく、おいしく、元気に過ごすこ
とができれば、また行きたいと思うだろう。そこから出発すれば良いのだ。

 このコラムは、第四ブロックの各高専の国際交流担当の教員がリレー形式で執筆します。
次回は香川高専の長岡先生の予定です。

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